はじめに

登山中の水分補給について調べてみました。

登山は思った以上にパワーを使う全身運動です。汗も相当かきますので、その分水分を摂らないと危険だというのは誰でも想像がつくかと思います。

では、どう水分を摂りますか?

私は、のどが乾いたら、ただ水等を飲めばいいんじゃない?とか思っていましたし、実際そうしていました。ですが「効率の良い水分補給」というものもあるそうです。

以下より紹介していきますので、よかったら参考にして下さい。

水分不足の危険

成人の場合、個人差はありますが水分が体重の50~70%を占めているそうです。

普段、特に何もしていなくても、吐く息や汗、排泄物などを通じて体内の水分は失われていきます。

運動時はさらに熱が作られるので、身体は体温を調節するために血液中の水分を汗として放出し、体温を下げます。

体重の3%以上の水分を失うと、体温調節に影響があると言われています。

大量の汗をかく運動を行い、水分補給を怠ると、深刻な影響が出てしまいます( ゚Д゚)。

【参考:脱水による影響】

間違った水分補給

「じゃあ」とにかくガブガブと水を飲めばいいのかというと、そうではありません。

あまり一度に大量の水を飲むと、体が吸収しきれない分の水分は「汗」や「尿」として体外に排出されてしまいます。

せっかくの水が勿体ない!

・・・というだけではなく、必要以上に汗をかいてしまったり、トイレの回数が増える、というのは、山行においては結構なストレスになります(^^ゞ。

では、どうすれば良いのでしょうか?

効率的な水分補給

水分補給の4つのポイント

効率的に水分を補給するには、下記の4点を注意しましょう。

1.のどが渇く前に早めに飲む

のどが渇いた時には、すでに脱水が始まっています。「のどが渇かないように飲む」が重要です。

2.こまめに少しずつ飲む

一度にたくさん飲んでも、体は吸収しきれません。余分な尿や汗として体外に排出されてしまいます。

3.十分な量を準備する

運動量や気温、次の給水ポイントまでの距離等を考慮し、十分な量を用意しましょう。参考までに、下記のような計算式もあります。

※鹿屋体育大学・山本正嘉教授の研究による必要な水分量の計算式です。

登山中に必要な水分量(ml)=自重(体重(kg)+ザック(kg))×5×行動時間(h)


例)体重70kgの男性が、10kgのザックを背負って、5時間行動すると、

(70+10)×5×5=2,000  となり、

必要な水分は「2.0L」となります。


4.塩分や電解質も補給する

水だけでは、血中塩分濃度を維持しようとする身体の働きで、逆に水分が排出されてしまいます。

スポーツドリンクが良いですが、スポーツドリンクばかり飲むと逆にのどが渇いてしまいます。そのため、スポーツドリンクと水を別で持っていくか、塩分や電解質は行動食で補う方法も良いです。

行動食で補う場合・・・基本的に行動食は(よっぽど過酷な山行でなければ)好きなお菓子などでいいと思うのですが、塩飴のようなものもついでに持っていくといいですね。

一言でいうと

水を15分毎に一口ずつ、補給しましょう!

※行動食も摂りましょう!

ということです(二言?)!!上記4つのポイントを考えると、こうなるそうです。

水分補給を助けてくれるアイテム

「ハイドレーションシステム」の紹介です。

15分毎に水を飲むと言っても、その都度ザックから水筒を取り出すのは面倒です。そして、面倒だからと水分補給を怠ってしまうことにもなりかねません。

そこで、非常に便利なのが「ハイドレーションシステム」です。

私物です。モンベル/トレールウォーターパック2.0L

水が入った袋をザックの背面に入れ、ザックからホース部分だけを出します。ホース部分の先はザックを背負った時の胸の位置に固定できますので、ホースの先を口で咥えて、ストローで水を飲むように水分補給ができます。

↑こんなイメージです。
画像:Amazonより

容量も色々ありますが、2.0Lが大きすぎず、小さすぎず、オススメです。ですが、上記の計算式などを使って、ご自身に合った容量をご検討ください。

メリット

必要以上に行動を中断することなく水分補給ができます。(^^)/

また、地味にありがたいのが、、、

「2.0Lの水=2kgの荷物」が背中の一番近い位置に背負えるので、安定します。

水筒だとこうはいかないですね。個人的に気に入っている所です。

デメリット

水タンク部分がザックの中に入ってしまうので、残量が分かりにくいです。昼食等の長い休憩の時に残量チェックするのがオススメです。

あと、家で洗うのが若干面倒です(笑)。専用の洗う道具もあります。これが無いと、タンク内は別として、ホースの内側はちゃんと洗えないです。

「ハイドレーションシステム」装着の仕方

※メーカーによって、多少の違いはあると思いますのでご了承ください。

ザックに装着するのですが、システムに対応しているザックを利用しましょう。登山用のものでしたら、大体対応しているはずです。

正しく付けられないと機能を十分に発揮できません。下記参照して下さい。

ザック内部には、

水タンクを入れる部分と、タンクを吊るすループ(写真赤丸の部分)があります。

そしてザックの上部には、写真のような穴がありますので、ここからホースを外に出します。

こんな感じで取り付けます。タンクの上部についているフックを、ザックのルーフにひっかけ、ホースを穴から外に出します。

外に出したホースは、写真の赤丸を通し、黄丸の部分に固定します。左右逆でも問題無いです。利き手等を考慮して取り付けます。

上記のように取り付けると、水タンクがザックの底に落ちてしまったり、ホースが無駄にブラブラしないで快適に使用できます。

注意点など

冬山などでは、水が凍ってホースが詰まってしまうこともあります。また、寒い時期に冷たい水を飲み続けると体温を下げてしまいます。

厳冬期では保温力のある水筒で、暖かい飲み物を用意した方が良さそうです。

ハイドレーションに入れるのは何がいい?

【スポーツドリンク】

塩分、電解質、さらに糖分が摂れるので、成分を考えるとこれが一番ですが、先述のように、のどが渇くということもあります。また、使用後、すぐに洗わないと「カビの発生や素材の劣化の危険性」が下記のものより高いです。

【水】

水分以外を行動食などで補えるならばとても優秀です。真水ならば、飲料水の他、料理に使ったり、傷口を洗ったりと汎用性もあります。
道中、湧き水などがあれば補給がしやすいのもメリットですね。
デメリットは味が無いので飽きることでしょうか?

【お茶】

味もあるので、美味しく飲めます。但し、カフェインが入っているお茶(緑茶や紅茶)は利尿効果があるので避けましょう。ノンカフェインの「麦茶」がオススメです(^^)/。
麦茶もミネラルが摂れますが、その量はスポーツドリンクと比べると微々たるもの(^^ゞ。過信は禁物です。

【水と塩分を摂れるタブレットなど】

ハイドレーションで「水」。そして、塩分タブレットや塩飴などの行動食で不足分を補う。
水の汎用性を活かす考えだとこれが良いかなぁ?
私は、以前は「麦茶派」でしたが、現在はこの組み合わせ(水+行動食)で登山に挑んでいます(^^♪。

上記、あくまで一般論です。メリット、デメリット、そして好みを検討して選びましょう!

まとめ

記事掲載時、これから夏本番、ということで水分補給について調べてみました。ですが、激しい運動が伴う登山は、夏に限らず脱水症状には気を配りましょう!

ではまたーー。